2018年03月15日

曽根崎キッドの日々 43

「ぼくにいい考えがあります」部下Bはまっすぐおかまの社長を見据えて言った。おかまの社長は、あれだけ痛い目にあわされてるにもかかわらず、またなんかしょうもないことを言うのではないか、と思った。今、わたしは怒りが炸裂しつつあるが、今こいつを使い物にならなくするのもメリットがない。パシリとか雑用とか・やらせることはなんぼでもあるのだ・と思い、期待もしないが、しかし、ヤル気をなくすのもいかがかな・と思い、「そう?」と拗ねたコドモが大好きな卵焼きを目の前にしたような、敢えてイエスともノーともとれる返事をした。

「きょうは疲れた」と曾根崎キッドは思った。なぜこんなに疲れているのか・想像はついていた。あの空白の時間。いったいおれはまた何をしでかしたのか? きっとTVをつければそれは判明するだろうが、ごめんだ・と思った。一晩寝て明日になれば事は落ち着き始めているだろう。ヒトの噂は7.5分だったじゃないか・そうだそうだ、と自分に言い聞かせていた。ゆうのことが心配ではあったが、さゆりがついていることだし、自分が出来る事もあまりなく、風呂にでもはいって寝よう・と思った。スパ・ワールドは・と思ったが、いかんいかん、今あんなとこ行ったりしたらアホだ。では、この家の風呂に入れさせてもらおう。でも・あるのかな。

「さゆりちゃん、お風呂に入りたいんだけど・・・・」
「そうですか。わかりました、準備します」
 さゆりは、いつものさゆりに戻っている・と曾根崎キッドは思った。しかし、顔を伏せたとき、さゆりの目が妖しく光ったことはもちろん曾根崎キッドは知る由もない。
「10分ほど待ってください。お呼びします」
曾根崎キッドは二階の部屋へと戻り、窓を開けた。川の向こうに高層マンションが見え、思わず最上階を見上げてみた。あいつらはまだあそこにいて画面をスクロールしているのだろうか?それとももうお開きになって、自分たちの部屋へと戻ったろうか?川面がその灯りできらきら揺れていた。その時「お風呂どうぞ」とさゆりの声が階下から聞こえた。(つづく)

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posted by 浪速のCAETANO at 12:57| 大阪 ☀| Comment(0) | 曽根崎キッドの日々(作り物・続き物お話) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする