2018年03月31日

曽根崎キッドの日々 59

 もうさゆりが連れて行かれてかなりの時間が経ったはずだ。今頃宅配されたピザを囲んでカンパリでも飲んでいるかもしれない。さゆりはそんなとき服を着ることを許されるのだろうか。ローブぐらいは掛けてもらえるのだろうか。曾根崎キッドは狂いそうになり、さゆりを愛してしまっていることに気づくのだった。

 上のさゆりはこめかみ辺りがピクピクするのを感じた。明らかに何かが違う。下のさゆりに変化がある・と直感した。情況が変わると確信したさゆりはその変化に備えた。

「この子意志が強いわね」夏木マリが言った。男は二度射精してしまっていた。二度目の精液はさゆりの左の瞼を塞いでいた。
「お前も飲む?」男は白ワインをソムリエナイフで乱暴に開けながら夏木マリにすすめた。
「入れてちょうだい」
 さゆりは角度のついたあん馬のようなものを抱えさせられていた。肌には赤い筋が何本もつけられいくつかからは微かに血がにじんでいた。夏木マリはワインを口に含むとさゆりの背中と尻に霧を吹きかけた。「ひっ」とさゆりから声が漏れた。
「痛いときや感じるときは声を出すのよ」夏木マリは低い声でさゆりに言った。さゆりは目を瞑ったままその声を聞いた。夏木マリは何かを思いついた。隣の部屋へと消えた。
 男は立ち上がり、さゆりの顔にこびりついた自分の精液を満足気に眺め、そして指で集めさゆりの鼻をつまみ口を開けさせ、その中に押し込んだ。そしてワインを口に含むとさゆりの顎を指で押し上げ、こちらを向かせ、やさしくキスをし、口に含んだワインをさゆりに注いだ。さゆりはすべて飲み干した。そして塞がれていた左目を開いた。

 上のさゆりはぶるっと震え、そして辺りを見回したが空間の裂け目はなかった。しかし周りが幾分赤みがかっている・という気がした。

 夏木マリが注射器のようなものを持って現れた。(つづく)

posted by 浪速のCAETANO at 18:55| 大阪 ☀| Comment(0) | 曽根崎キッドの日々(作り物・続き物お話) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする