そこからロックはR&B・BLUESを追っかけながらも相互作用の中発展して行くのだが、たとえばエルヴィスなんてやってることは白い顔して黒人音楽だもんね。
やっぱりR&Bが一番いいのね。それも昔のリズム&ブルーズね。それ自体もいろんな多様化をしていまして、王道の「HI」や「STAX」それに「MOTOWN」ももちろん素晴らしいがもうひとつ大きな勢力というかちょっと変わったガラパゴス化の一種かも知らんがそんな発展を遂げた音楽・それがニュー・オールリンズなわけ。
ここの音楽はコクがすごい。どんな出汁つかってるのかな・という感じ。アメリカ南部のベーシックな出汁にカリブ海の風味・フランスの洗練・さらにはヴードゥーの精霊/ゾンビまでがその味付けに参加するというまさにごった煮(ガンボだね)・今で言うミクスチュア音楽なのだが、それが洗練とエキゾチズムの両方兼ね備えた見事な音楽群なのだ。
そこから「セカンド・ライン」というビートが生まれる。このシンコペーションのお手本みたいなビートは「誰が」「どんな風に」やってもとりあえず間違いなく「楽しくなる」という魔法のビートなのであって、まあラテン音楽に於けるクラーベのスリー・ツーの応用と言えるが、それもまたさっきも言ったように「カリブの風」をしょっちゅう受けてたことと関係あるのだった。「IKO IKO」(いこいこ・でもイクイク・でもなくアイコアイコと読みます)という曲が一番わかりやすいです。機会があれば聴いてみてね。その上にプロフェッサー・ロングヘアー譲りのDr. JOHNというピアニストの前後左右にでんぐり返るこれもまたシンコペ満載のピアノが乗ったりするとその楽しさは「さらに倍」となるのね。
そして、ニュー・オールリンズのピアニスト・プロデューサーと言えばAllen Toussantである。アラン・トゥーサンです。もういろんな人がカヴァーしている「PLAY SOMETHING SWEET」という曲があるが、ブルース/R&Bのマナーに乗っかってはいるが、それとも異なりディキシーのニュアンスもたっぷりあって「これぞニュー・オールリンズ」である。ほんとに素晴らしいミュージシャンで最近では中島美嘉とかに「安売り」していたが、今後一切そんな気の迷いはヤメていただいて、ニュー・オールリンズ音楽の発展にさらに寄与していただきたい・と思う。
ひとつだけアルバムを挙げなさいと言われれば「SOUTHERN NIGHT」だろうか・やっぱし。
何かスウィートなのを演ってよ。何かメロウなのをね。少しフォンキィなのが好きよ。ほんとはマリア・マルダー・ヴァージョンが良いけどね。