2010年08月23日

南部を目指せ-3

 土曜は「婦女子チーム」とリハ。「婦女子」と書いて、下半身ぴくっときたね。いいのかどうかよくわからんけれど。

 ちゃんと説明する時間がなく、しかし、現場が近づくのにはいつだって「最悪を避ける」という方法しかないのはなかなか不本意な事ではある。コミュニケイションにはその前段階のプレ・コミュニケイションが必要で「共通言語」の設定がマストなのだが、そこの設定とはつまんない話で時間を過ごす・だったりする。

 一応「南部を目指す」ライヴのリハ・不完全ながら一回りして、あとは本番待ち。まことに不完全ながら。でもね。完全不完全とは「量的」な話であって、まだ本番前のリハででも詰める事もできる。そう簡単にはギヴアップはしないのよね。ひとりでできることもまあ意外にあったりする。

 しかし、まあ全般的に言うと「ややワクワクしている」かな。前半はややナーヴァスにならざるを得ないが、後半はきっと「いい全開」ができよう・と思う。でもそのためには前半のチャレンジも要るわけで、チャレンジしましょうよ・それなら。

 しかし、(自分の曲も含めて)好きな曲ばかりで構成されたライヴとはやっぱりそこはほら・楽しいわけよ。素晴らしい曲たちでありながらも演奏される機会のない名曲たちがそこにはあるわけでそれは50・60・70年代の金字塔なのであってこの2010年にそれを再現しようともぞもぞやってるバカがニュー・オールリンズから遠く離れた大阪におりまして・なんていうストーリーなのだけど、まあJASRACには内緒でそこんとこよろしくね・ということである。

 南部を目指せ・というコンセプトとは:
 2005年に書いたものをもういちど。

 南という概念はいつも甘い魅力を放ちながらやってきてぼくたちの脳を刺激する。刺激されてそれは欲求に、刺激がきつければ欲望へと形を変える。すると南には何か自分を解放してくれるものの存在を設定したくなる。

 「その日々はもう終わってしまった。今はただひとり浜辺に置かれたデッキチェアに腰掛け、きみのことを考えている。同時に、きみのいなくなったこれからの生活をどうすればいいのか、ということも考える。ぼくたちの想像力のゲームはやっぱりあんな風に終わることになっていたんだろうな。ゲームって事で云えば一番失いたくないゲームを失うことになってしまった。夢みたいな世界に遊んでる内に時間だけが過ぎていき、気がつけばぼくはやっぱりひとりでこうやって浜辺のデッキチェアに腰掛けている。あのきみとの出来事はもう現実として再現することはできないのだ。
 きみは本当にぼくのことを愛していたのか、それとも単にからかっていたんだろうか。」


 例えばこのような事実から一段落するための場として南部はある。そこは何かから一呼吸置いて自分を、自分の周囲を見つめる場だし、しかしまたそんな現実の理屈が意味のない場でもある。そこにあるものは;

 「太陽が沈んでいくのをただ眺め、波の音を聞き、しかしきみのことを知らないうちに考えている自分に気づき、後悔の念にさいなまれ、やりなおすとすれば、という勝手な想像の中に遊び、夜にはジューシーな酒を何杯も飲み、その酔いの中で鳥の泣き声に耳をすまし、沈んだ太陽の名残りつまり夕焼けが完全に消えてしまうまでじいっと浜辺のデッキチェアに腰掛けている」


 というような、あまりに無垢で手付かずの地球の風景と、あまりに情けない自分の現実、そしてそのギャップである。南の、まあ島がいいかなあ、島なり海岸では、都市生活者の、欲望の湧出は形を変え、しかもそれを安易に満たす装置が容易には見つからない。携帯電話も使えない。子供の頃ほどの利便性の中にヒトはぽつんと置かれてしまう。コミュニケーションと云う点からしても人と人の距離とは物理的な距離のことになる。肩書きもただツーリスト/ ストレンジャーというに過ぎず、人はそこで他のすべての人と等価値となる。そのことが自分を自由にしてくれることに気づくにはしばらく時間がかかるものだ。数度太陽に焼かれ、その火照りを癒すことが半習慣化したころにそれはやってくる。心を覆っていた薄皮が剥がれはじめる。腕や背中の皮が剥がれることがもはやメタファーではないというわけだ。

 「満天の星の下で暖かい凪いだ空気を胸いっぱいに吸い込みながら眠ってしまう。そこでみた夢はロコの娘との情事かもしれなかった。ふと吹いてきた南風が顔をくすぐり目を醒まさせる寸前に理解したことは、まだきみをとても愛していて、しかし、もうやり直すことはできないという残酷でクールな事実だけだった。自分の魂の中深くもぐり込みそんなことを発見する。そして南風が吹きはじめる場所をめざしてさらに南へむかうという決意をするのだ」

 こうして南部への指向は永久運動となる。

 
 今回のコンセプト・リーディング・チューンであったりする。
 
posted by 浪速のCAETANO at 14:28| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 南部をめざせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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