2018年02月02日

曽根崎キッドの日々 2

on the1st day:

 曾根崎キッドが地下鉄の出口を出たとき、ある匂いを感じた。特に好きとか嫌いとかの判断の前にそれは鼻の穴からから脳のどこかへチョクで到達し、かたちを変えた。もう一度その匂いを思い出そうとしたがもう無理だった。無理ではあったが、その匂いの存在は曾根崎キッドに刻み込まれた。
 
 曾根崎キッドは空腹を感じ、トドムンドの社長が「食べるといいよ」と云っていたとんかつ屋をさがした。「末広」というその店はすぐに見つかり、とんかつ定食を食べた曾根崎キッドは四天王寺へと向かった。制服の女子高生たちが帰っていた。曾根崎キッドは四天王寺にやってきた最初の日から女子高生につきまとわれたら、どうしようか、仕事できないじゃないか、と懸念したが、彼女たちはおしゃべりに夢中でヨコモジのたぶん大阪の芸人だと思うが、その話にキャッキャ・キャッキャで曾根崎キッドのことを見向きもしなかった。
 
 鳥居をくぐって境内へ入る。しばらく歩くと駐車場があった。曾根崎キッドは真っ白のボルボをさがした。奥から二台目に白のボルボ240のセダンが停まっていた。約束の時間にはまだ十五分ほどあったから、目の前にある自動販売機から無糖の冷たい缶コーヒーを買い、たばこに火をつけた。
 
 陽射しがやや強く、曾根崎キッドはサングラスを忘れたことを後悔したが、昨日まで雨続きだったこともあって、やっぱりお天気はいいなあ、と眩しかったが太陽に向かって目を細めた。視界の下の方に影が見えた。                                      (つづく)
1D458638-09DF-48D2-81E7-FAE68F02AA1D.jpg
posted by 浪速のCAETANO at 13:22| 大阪 ☀| Comment(0) | 曽根崎キッドの日々(作り物・続き物お話) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。