2018年02月04日

曽根崎キッドの日々 4

on the 2nd day:

 陽炎がたちあがっていた。「水、撒いても撒いてもわややな」珈琲屋の老店主が店のカウンターの中にいる妻に聞かすでもなく呟いた。「おとうさん、もう三時半よ。商店街の集まりでしょ」「ああ、そやった」
 老店主はギャルソン・エプロンを外し、カウンターの上のたばこを取り、外へ出た。
 
 ビルの一室から通天閣が見えている。反対側の窓からは超高層マンションの土台の一面の白い壁が見える。
 おかまの男が部下たちに向かって尋ねる。「ね〜え。来週のショーの子たちは手配ついたの〜お」
 部下Aが答える「いえ、そやから今週の子らの髪型と化粧変えてやらなあきません」
 「何週間、女ばっかしつこてんのよ。あんたら、ちゃんと仕事してんのか。再来週までにはぜったいに見つけといで」
 「はあ、そう言われますけど、半玉の絶対数が少ないし、半玉でもちんちんまだ切ってないのんなんかごっつレアでっせ」
 「そ〜や〜、だ・か・ら、値打ちあるんやないの。わたしもあっちこっち手は打ってるけど、これはあんたらの仕事やからね。いいこやから、再来週までには探しといてね〜ん」
 部下Bが軽口をたたいた。「それやったら、社長がやったらどうです。趣味と実益って感じ?」
 部屋の空気が一瞬にして凍り付いたが、部下Bはギャグの後、観客からの反応を待っている漫才師のように何かを期待した顔で誰かからの反応を待っていた。 (つづく)


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posted by 浪速のCAETANO at 04:43| 大阪 ☔| Comment(0) | 曽根崎キッドの日々(作り物・続き物お話) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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