2018年02月05日

曽根崎キッドの日々 5

 「な・ん・や・と」
 社長と呼ばれたおかまの男は立ち上がると、へらへら笑っている部下Bを部屋の角まで追いつめた。部下Bはそれでもうすら笑いをうかべていたが、そのうち感情と表情が乖離し、アタマ悪い子の顔になったその時、頭を脇の下につかまえられDDTで床に打ち据えられた。あまりに見事に決まり、部下Bはしばらくの間垂直に頭で立っていたが、突然身体のすべての力が抜け、ぐにゃりと「く」の字に折り曲がって動かなくなった。おかまの男は立ち上がり、何事もなかったかのようにソファへ戻った。部下Bは最近この仕事を始めたばかりだった。震えている部下Aにおかまの男は
 「ええかげんにしとかな、次はあんたが女やで」とドスの効いた声で言った。「さ、お仕事お仕事、この子にもしっかり教育してね〜ん。死んでないし」
 部下Aは口から泡を吹き失神している部下Bの足を持って引きずり後ずさりしながら部屋を出て行った。
 おかまの男は、携帯電話をポケットから取り出し、どこかへかけ話しだした。「ゆうちゃん、きのうのこはまだ・・・・・・・・・」



 暗く息苦しかった。原因はわかっていた。鼻が詰まっているのだ。空調が寒いぐらいに効いていてハナ水が垂れてそれがハナクソ化して鼻の穴を塞ぎつつあった。曾根崎キッドはただでさえ、いつも片方の鼻が詰まっているのだが、今はその詰まっていないはずの右の鼻の穴にハナクソがどんどん増殖していた。手は後ろ手に縛られ、自由が利かなかった。ちょっと考えだすと、もうパニックになりそうだった。頭がかーっと熱くなったが、しかし足は自由だったので、なんとか立ち上がりドアをめざした。目は暗闇に慣れて少し明るい部分を確認した。そこがドアだった。(つづく)


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posted by 浪速のCAETANO at 02:57| 大阪 ☀| Comment(0) | 曽根崎キッドの日々(作り物・続き物お話) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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