2018年02月15日

曽根崎キッドの日々 15

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「と、いうことは、曾根崎キッド?あなた」
 突然、おんながそういいだすから、曾根崎キッドはびっくり仰天してしまったのだ。話もしていないおんなからそんなこと言われたら誰だって驚く。今まではオナニー見られた中学生だったが、そんなことは一瞬にして忘れ、スに戻った曾根崎キッドはおこづかいを上げてもらう理由をママに理路整然と述べる灘中の生徒のようにクールな顔に戻っておんなに尋ねる。
  「その、と、いうことはの部分、差し障りがなけりゃ教えてくれないかな」言葉遣いまで賢そうな曾根崎キッドだった。
  「あはは、ごめんなさい、ごめんなさい。あなたのこと、トドムンドの社長にもう一度確認したのよ。ルックスとかね。そしたら社長、どうでもいいことばっかり言って肝心なことちっとも教えてくれなかったのよ。あいつは女も好きだけど男も好きだとか、突然別人化するとか、じらすセックスが好きとか、犬よりも猫が好きとか、こっちは人捜ししてるのにそんな話しかしないからあたし電話口で怒鳴ったのよ。そしたら、相変わらず怒ると可愛いな、なんていうから、その怒った声を久しぶりに聞きたかってん、とかいうでしょう。でもあたしも思い出したのよ。あの人ってヒトが真剣になればなるほど自分はふざけていかないと、場のバランスが取れん、なんてよく言ってたし、なんでもかんでもセックスがらみの話にするんだけど、その時はそれで妙に納得させられちゃうというか、ね。でもただひとつだけあなたに関してちゃんと、まあ、ちゃんとといっても、それが普通人捜しに役に立つとは思えないんだけど、ただ今は役に立っちゃったんだけど、社長が教えてくれたのはね、曾根崎キッドは何かに夢中になってる時はホンマのあほみたい、に見える。あ、これはあたしが言ったんじゃありませんからね。トドムンドの社長セッドね。」
 あいたたた、と曾根崎キッドは思った。蝉の交尾に熱中していた時、初対面の人間が一目でそれとわかる「あほ」だったとは。それにしてもトドムンドの社長のセックスねた好きはあるいみビョーキかもしらんなあ、と思うとこもある。ズブロッカ飲みすぎでへろへろになって半寝の状態のときでも、だれかがエロねたをふった瞬間、目ギンギンになって、さらに深いエロねたの嵐になっていく。とても1分前に口開けて寝てた人間と同一とは思えないし、あのおっさんにとっては世界の構図はすべてセックスで説明できるような気がする。ナガイの前にいた厨房のクミコの性格を「あいつはコレやから」と二本指の逆Vでおまんこ開くしぐさなんて、自己顕示欲の説明としてはこれ以上わかりやすいものはないな、と不覚にも感心した覚えもある。あのひとの、世の中をすべてセックスがらみのメタファーで表現してしまおう、という試み(いいように言えば)は慣れてないと客にもよくヒカレてるけど、それがセクハラにならないのはある種の才能かな、とも思う。
 「それとミファソのマスターにも聞いたのよ」
 「ミファソ?て?」
 「あなたが昨日一緒に暴れたおじいさん」
 「あぁ、ミファソって店かなんかの・・・?」
 「新世界の喫茶店よ」
 ミファソてぇ、それ、普通ドレミやろ、と曾根崎キッドは考えたが、まあ、なんでミファソかはまたおいおいおじいさんに聞くことにして。
 「と、いうことは、あなたが白いボルボの?」
 「そう。やっと会えたわね」
 「よかった」
 「だって、あなた、約束守らないんだもの」
 曾根崎キッドは昨日までにあったことを、分かってる限りおんなに話した。(つづく)

posted by 浪速のCAETANO at 00:18| 大阪 ☁| Comment(0) | 曽根崎キッドの日々(作り物・続き物お話) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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