2018年02月23日

曽根崎キッドの日々 23

「なにが、おいっす、やねん」と曾根崎キッドは思った。そもそもトドムンドの社長に頼まれてこの街へやってきたのに。「そんなとこにいたのー?」はないだろう。それに「なにが、カウパー氏腺液やねん。よーわからんぞ」帰ってから確かめねば。
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しかし、正体バラしてんのトドムンドの社長やん。曾根崎キッドは敵と味方が斑に入り混じったところに放り込まれたと思った。
「では、わたし、仕事がありますので」さゆりが部屋を出て行く。「どうも」
映像はまた新世界のさまざまな場所へと切り替わった。曾根崎キッドは立ち上がって窓のところまで行き外を見た。男が足元のふらついたおんなを抱えながらこの家へと入ってきた。

顔が売れてしまったこの場合、これはメリットなのか、デメリットなのか。それにしても長い一日だ。あまりにいろんなことが起こり、いろんなことがわかった。わかったがしかし、まだ゛わからないことが多すぎることもわかってしまった。そして、変なとこで顔が売れてしまった。吉沢さつきに会いに行こう。そもそもトドムンドの社長はさつきに協力してくれ、と言っていたわけだから。ミファソへ行ってみよう。

曾根崎キッドは玄関で靴を履き外に出ようとした。さゆりの姿はそこになく、長い廊下の先でひとが喋っている声がした。おとこの声とおんなの声。さっきやってきた男女だろう。ゆうがにゅっと顔を出した。
「キッド、出かけるのね。遅くなっても鍵はかけないでおくから」「ありがとう・・・・・・・・・・ゆうちゃん」ゆうはにこっと初めて笑った。曾根崎キッドが、それに応えて笑おうとした時にはその顔はすでに無表情へと戻っていた。

ミファソへ行くと新世界キッドのおじいさんがいた。曾根崎キッドを見て、笑いながら「また、えらいことになっとんなー」と他人事のように言うから「たのむで、しかしー、ですよ、ほんまー」「カズさん、ばらしてまいよったな、あんたのこと」
 「えっ、社長のこと知ってはるんすか」 (つづく)
posted by 浪速のCAETANO at 04:33| 大阪 | Comment(0) | 曽根崎キッドの日々(作り物・続き物お話) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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