2018年03月03日

曽根崎キッドの日々 31

「あ・安本ブラザーズや」
「何チャン?」もう一人の男が訊く。
「153」
 スキンヘッドと九一ヅラの二人組が大柄の女を引きずって路地の中へ消えていった。
「次どこや?」「ちょっと待ってな。あ・オッケー、97」
 曾根崎キッドも手元のキーボードを叩く。真っ暗の画面で何も見えない。曾根崎キッドの不思議そうな顔に応えるかのように「BRのボタン」と夏木マリが言う。言われたようにすると赤いエネルギー体が三体浮かび上がってきた。赤外線カメラかなんかだろうと曾根崎キッドは思った。
 シルエットからスキンヘッドとヅラの区別はつく。スキンヘッドが女の胸ぐらをつかんでいた。いやな想像が曾根崎キッドの中に生まれた。

 ゆうは部下Bとぐったりした女を地下の特別室と呼ばれる部屋へと案内した。
「あんまりむちゃしたらだめよ。この子今日初日でしょ」
「わかってるって。ビデオ回さんでええで」
「当たり前でしょ。社長にバレたらどうすんの。明日の朝、絶対寝過ごしたらだめよ」
「はいはい、わかってまんがな」
 部下Bは地下室のドアにロックをした。時計をみると5:00だった。時間はたっぷりある。今日は仕事はこれで終わりやし、と部下Bは思い携帯をポケットから取り出した。
「もしもし、さゆりちゅん、寿司二人前とお酒もってきてえや」

 ビデオはさっき回さないと言ったけども、さゆりにモニターをチェックしとくように、とゆうは指示した。そのときさゆりの携帯電話がなった。
「お寿司とお酒やって」
「すぐ、調子こくんだから、あのバカ。やっぱりビデオ回しとこう。社長にチクってあげよう」
「今度はどうやって怒られんのかな」
「怒られてもすぐ忘れるからいいのよ。アタマ小学生だもん。きんたまだけはなぜか三人前。どーぶつ」
「ふふ」
「しっかり見張っといて。アホなことやってたら、水でもかけなさい」
 「わかりました。ゆうさん、出かけるの?」
「うん、少し気になることが、ね」
「キッド?」
「それもあるけど、ちょっとね」
 「あの人少しかわいいけどね」
「あんまりやさしくしちゃだめよ。あとよろしくね」
  ヒールのあるブーツを履いて背筋を伸ばして歩いていくゆうを見送りながら、さゆりは「今度はいつなんやろ」と呟いた。
 「今度あの人に・・・・・・」(つづく)

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posted by 浪速のCAETANO at 00:33| 大阪 | Comment(0) | 曽根崎キッドの日々(作り物・続き物お話) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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