2018年03月19日

曽根崎キッドの日々 47

 曾根崎キッドは家の中へ飛んで帰り、ゆうの部屋の襖をことわりもせずに開けた。ゆうは起き上がっていたが「なんなのよ」という表情でこちらを見た。
「ごめん。でもな、さゆりちゃんがどこにもいないねん。安本にさらわれたと思う」
 ゆうは依然として「なんなのよ」の顔のままで曾根崎キッドを睨んでいたが、「売られるかもしれない、さゆりは」と今度は「どうしてくれんのよ」という顔で呟いた。
「え、売られるってさゆりちゃんが・・・」
「あそこはそういう組織なのよ」
「どこに売られるわけ?」
「あそこの組織、結構今女のコに困ってるはずなのよ。さゆりならフレッシュだし、一気に売り上げをあげようとするかもしれない。となると、お金持ちのヘンタイね。一晩何十万か払うわね、やつらなら」

 ゆうは昨日部下Bが連れてきたコも、まず初日はあの高層マンションの住民が買ったことをキッドは知らないはずだ・と思ったから、それは伏せておこうと思った。社長にまず知らせて、自分はこんな身体だから、部下A・Bに託す以外になかった。間違っても新世界キッドに知られてはいけないし、チカラを借りるなんて自分としては許されない。しかし、ちょっと待てよ、目の前のこのオトコのあの変なパワーは使えるかもしれないと思いかけたが、いや・違う、こいつはきっと「ミファソ」へ行くだろう。それはマズい。

 曾根崎キッドは、ゆうが「フレッシュ」とさゆりもことを言ったことに対して「そーだ」と思う気持ちと「だからヤバいっちゅうねん」という相反する二つのベクトルに引き裂かれそうになりながらも、「お金持ちのヘンタイ」と聞いた時から頭の中はあのマンションのやつらに違いないと思っていた。あそこにいた四人でなくとも、その近い知人だろう・と見当はついていた。そしてゆうたちと安本が利害が対立するなら、ゆうたちの商売もまたきっと「オンナを売ること」だろう。しかし、トドムンドの社長はいったいここで自分に何をやらせたかったのだろう。

    そんなことが一瞬、曾根崎キッドは頭をよぎったが、しかし、今はあのさゆりがヘンタイたちに買われてしまうことを何としても阻止しなければいけなかった。「なにができる?」と曾根崎キッドの頭もまた回り始めていたのだ。

「おねえちゃん、ごめんな。あんたには個人的にはなんの恨みもないんやけどな。しばらくちょっとおもちゃになってもらわなあかんのよ。ええおもちゃかどうか調べさせていただこうか」(つづく)


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posted by 浪速のCAETANO at 00:10| 大阪 ☁| Comment(0) | 曽根崎キッドの日々(作り物・続き物お話) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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