2018年03月30日

曽根崎キッドの日々 58

 ピザ・ハットの宅配のにーちゃんがやってきた。インターフォンでその旨を告げ玄関ロックが解除された。曾根崎キッドも中に入った。ピサ・ハットのにーちゃんはなにかあからさまに不審な者を見る目で曾根崎キッドを見たが、曾根崎キッドはスマイルで返した。それ以降ピザ・ハットは目を合わさなかった。ピサ・ハットは34階を押したので、曾根崎キッドは怪しまれないように42階を押した。ピザ・ハットが34階で降りるとすぐに曾根崎キッドは35を押した。エレヴェーターを降りるとすぐに曾根崎キッドは非常階段を探した。通路の端にあるものだ・と思っていたから通路を最後まで走ってみた。しかしなぜか非常階段のドアは見つからなかった。エレヴェーターのところまで戻ると37階で下に降りてきつつあった。ボタンを押しそうになったが、34階ではピザ・ハットが乗ってくるに違いなかった。だから残念ながらやり過ごすことにした。

 そのときエレヴェーター前の玄関ドアが開いた。曾根崎キッドは身構えた。こんなところで何をしているのか・という質問に対する答えを瞬時に5つほど考えた。ドアから出てきたのは吉沢さつきだった。
「うわあ、びっくりしたー」
「びっくりしないの。それよりさゆりちゃんは34のDよ。この階段使えるわ」
 さつきはドアをさらに開けた。そこには上下へと続く階段が見えた。そのドアは他の住居用のドアとまるでおなじで全く区別がつかないデザインだった。
「ピザの子と一緒に入れたでしょ。あのピザあたしが注文したのよ。間違いなくさゆりちゃんはあの部屋にいるわ。安本がどうしても部屋番を吐かなかったのよ。変なとこプロのプライドあるんだから」
「で、どうやった? 中の様子わかった?」(つづく)

posted by 浪速のCAETANO at 11:17| 大阪 | Comment(0) | 曽根崎キッドの日々(作り物・続き物お話) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。